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鼠径ヘルニアと筋トレの関係|腹筋はダメ?
2024.08.29
こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。
鼠径ヘルニアが疑われる症状が出た人の中には、筋トレを習慣化している人もいるかと思います。そしてそんな人は、筋トレが鼠径ヘルニアを発症させたのでは、と疑問を感じるのではないでしょうか。
また、鼠径ヘルニアの手術後も筋トレを継続できるのかと、不安に感じている人もいるでしょう。そこで今回は、鼠径ヘルニアと筋トレの関係について詳しく解説します。
鼠径ヘルニアと筋トレ(腹筋トレーニング)の関係
鼠径ヘルニアを発症する原因には、生まれつきの「先天性」と、生まれた後の「後天性」があり、後天性の場合は加齢や腹圧のかかる生活習慣などが鼠径ヘルニアを発症する原因となります。
そのため、腹圧のかかる筋トレ、特に腹筋トレーニングなどを日常的に行っていると、鼠径ヘルニアを発症するリスクを高めてしまう可能性はあるといえます。
鼠径ヘルニアを発症したら筋トレは禁忌?
筋トレを趣味としている場合、鼠径ヘルニアを発症したら筋トレができなくなるのでは、と不安を感じるでしょう。
しかし実際は、鼠径ヘルニアをしっかりと治療して適切な筋トレを意識することで、手術後も筋トレを行うことができます。
鼠径ヘルニアの発症リスクを下げる適切な筋トレ方法は、次のとおりです。
・筋トレ前にストレッチなどで柔軟性を高めておく
・正しいフォームを意識する
・高い負荷をかける際は徐々に重量を上げていく
・腹部に不快感を覚えたら中止する(状況に応じて専門家に相談する)
なお、鼠径ヘルニアを治療しない状態で筋トレをすると鼠径ヘルニアの悪化につながるため、鼠径ヘルニアの疑いがあればまずは専門家に相談することが大切です。
あわせて「調布市で鼠径ヘルニア手術後のリハビリと生活改善方法」の記事もお読みください
鼠径ヘルニアと筋トレ・トレーニングに関するQ&A
患者さんから多く聞かれる質問に対して回答します。
Q:鼠径ヘルニアになりやすいスポーツは何ですか?
鼠径ヘルニアになりやすい主なスポーツは、次のとおりです。
・サッカー
・ラグビー
・バスケットボール
・テニス
スポーツの中でも運動量が多いスポーツやジャンプをするスポーツは、強い腹圧がかかりやすいため、鼠径ヘルニアの発症リスクを高める可能性があります。
Q:筋トレで鼠径ヘルニアを予防できますか?
2024年8月時点では、筋トレで鼠径ヘルニアを予防できると確立されていません。
なぜなら、鼠径ヘルニアは筋膜から臓器が出てしまう病気であり、筋トレで筋膜は鍛えられないからです。
Q:スポーツ選手や格闘家は鼠径ヘルニアになりやすいですか?
スポーツ選手や格闘家の方は、日ごろから過度なトレーニングや運動を行っていることから、鼠径ヘルニアになりやすいといえます。
また、スポーツ選手や格闘家ではないですが、当院では筋力トレーニングをしている方で相談にいらっしゃる方はよくいます。
あわせて「鼠径ヘルニアになりやすい人の職業とは?長時間の立ち仕事や重い荷物運びは危険か」の記事もお読みください
この記事の著者
菅間 剛(かんま たけし)
2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。