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鼠径ヘルニアの手術前後に注意するポイントは?痛みが少ないのは本当?

2023.12.22

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。

鼠径ヘルニアの手術の所要時間は約1時間で、外科手術としては短い部類に入ります。腹腔鏡を使った手術方法はシンプルなものであり、全身麻酔を使って安全に手術を行ったのち、1時間ほど休んでいただければお帰りいただけます。

とはいえ、全身麻酔を使う手術が人生で初めてという方もいらっしゃるでしょう。生じる痛みが気になるというお気持ちも理解できます。

今回の記事では、手術前後に気をつけていただくべきポイントを紹介します。

手術前日と翌日はほぼ普段どおりの生活が可能

鼠径ヘルニアの日帰り手術、特に腹腔鏡手術を受ける場合は、痛みが少なく身体にかかる負担もおさえられるため、ほぼ普段どおりの生活を送りながら手術当日を迎えられます

日頃から食事や睡眠をよくとって、体調を崩さないようにしてください。

食事について

当院では手術前日に食事の制限はしていません。前夜22時までなら何を召し上がっても大丈夫です。ただし、当日の朝食は抜いていただきます。

お水やお茶は、夜22時以降から手術当日の朝も以下の時間まで、お飲みいただけます。

手術を受ける時間帯飲水制限
午前の方当日朝7時まで
午後の方当日朝10時まで

全身麻酔をかけて手術を安全に行うため、胃の中を空っぽにしておく必要があります。万一、飲食の制限を守れなかったときは必ず申し出てください。

飲酒について

手術前日と当日の2日間は、飲酒は控えていただくようにお願いいたします。

飲酒で血行がよくなると、痛みや内出血を引き起こす原因となります。手術翌日以降は、普段どおりでかまいません。

入浴について

前日の入浴の制限はありません。

手術当日は、手術でできる傷口が防水テープで覆われているため、シャワーを浴びても問題ありません。ただし浴槽につかるのは手術翌日からにしてください。

痛みが急に強くなったら注意

鼠径ヘルニアの初期は、足の付け根にふくらみが現れることで違和感や不快感がありますが痛みまでは感じないケースが多く見られます。ただし、経過とともにふくらみが大きくなり、腸の一部が皮膚の下に飛び出したまま戻らなくなる可能性があります。

激痛をともなう嵌頓(かんとん)状態になると、緊急手術が必要となる場合もあるため、痛みが増すのを感じたら、かかっている医療機関に相談されることをおすすめします。

嵌頓(嵌頓)に関する記事「鼠径ヘルニアの嵌頓(かんとん)とは何か?」

痛みをコントロールする麻酔について

鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術では、全身麻酔を用います。麻酔科医が全身管理を行うため、手術中に目覚めたり、麻酔が切れて痛みを感じたりすることはありません。手術時間に合わせて麻酔薬の量を調節し、手術が終わる5分後くらいに目覚めるように細かくコントロールしています。

また手術時にできる3か所のキズに局所麻酔を併用して、手術後に感じる痛みをできるだけ和らげるように努めています。手術が終わり、患者さんが目覚めてからも、局所麻酔の効果は数時間程度続きます。

手術後の痛みを和らげるには

手術後に感じる痛みには個人差がありますが、平均的には3日前後でほぼ痛みを感じなくなる患者さんが多いようです。当日の夜と翌朝は処方される痛み止めをお飲みいただいています。翌日以降も強い痛みを感じたときに、追加でお薬を飲めば、十分に痛みをおさえられるでしょう。

早い方は、翌日からお仕事に復帰されます。ただし、激しい運動は2週間程度はひかえてください。

Q. 鼠径ヘルニアの手術を受ける前に気をつけることは?

日帰り手術では、前日まで普段どおりの生活を過ごしていただけます。特に食事制限はありませんが、一定の時間を過ぎたあとは手術まで食事はひかえる、飲水も決められた時間までにしていただいています。

Q. 手術後はリハビリなどが必要ですか?

特に専門的なリハビリテーションを行う必要はありません。手術翌日から日常どおりに生活できる方が多くいらっしゃいます。痛みを感じなければ、無理のない範囲でいつもどおり身体を動かすとよいでしょう。

くわしくは「鼠径ヘルニア手術後にリハビリは必要か?生活改善に必要なこと」を参照してください。

Q. 手術後の痛みはどのくらい続きますか?

局所麻酔の効果が切れると、多かれ少なかれ、痛みを感じるでしょう。平均すると約3日前後が多いようです。帰宅後は、必ず痛み止めをお飲みいただいています。翌朝以降は、痛みが気になるときだけ服用していただくことで、痛みを和らげることができます。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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