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鼠径ヘルニアの専門病院はある?クリニックとの違いについて
2024.05.31
こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。
当院は鼠径ヘルニアの手術だけを対象とする専門クリニックです。このブログをご覧になっている方の中には「治療を受けるなら大きな病院がよいのか、クリニックがよいのか」と決めかねている方もいらっしゃるかもしれません。
基本的に当院のような専門クリニック、外科のある病院など多くの医療機関で治療を受けられます。今回は、病院とクリニックの違いについて紹介します。
鼠径ヘルニアの専門クリニックとは
「調布駅前そけいヘルニアクリニック」のように、医院名に鼠径ヘルニアを掲げているクリニックは、そこまで多くありません。しかし、鼠径ヘルニアの日帰り手術を受けられる外科クリニックは多くあります。
一方で鼠径ヘルニアの「専門病院」はありませんが、消化器外科や外科を標榜している病院では、鼠径ヘルニアの手術を受けることができます。
多くの鼠径ヘルニア治療を行っている医療機関には、より多数の手術実績が蓄積されます。執刀医、麻酔医や手術専門の看護師のスキルはさらに高まり、安全で早く、また患者さんの身体にかかる負担の少ない手術がしやすくなります。
鼠径ヘルニアが日帰り手術で治療できる理由
海外では、鼠径ヘルニアの手術は、ほぼ100%が日帰り手術で行われていると言われます。手術でできるキズが小さく、患者さんの身体にかかる負担が少ないために、その日のうちに帰宅できる点が魅力です。
特に当院で行っている腹腔鏡を使った手術は、鼠径部を切開する手術方法と比べてキズが小さいために、手術後の痛みも小さくなる傾向にあります。来院から手術、休憩して帰宅するまでの所要時間は平均4時間以内です。
日帰り手術を受ける前日まで、いつも通りの生活が送れるので日常生活への影響はわずかです。また日帰り手術なら、病院のベッドが空くまで入院を待つ必要はありません。
クリニックと病院それぞれのメリット
病院でもクリニックでも、使用する医療機器や手術方法の細かな違いはありますが、鼠径ヘルニアの治療方法に大きな差はありません。ヘルニアの部分をメッシュでふさぎ、腸管が皮膚の下へ飛び出ることを防ぎます。
クリニックで日帰り手術を受けるメリットは次の通りです。
- 治療実績が豊富な専門クリニックなら安全・安心な手術が受けられる
- 日帰り手術なので生活への影響が少ない
- 痛みが少ない手術方法で回復が早い
- 入院のための準備が不要
一方で、鼠径ヘルニアの日帰り手術が適していない患者さんもいらっしゃいます。こうした条件に該当される方は、病院の受診をおすすめします。
- 糖尿病や心臓病などの既往症がある
- すでに同じ箇所で鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術を受けた経験がある
- 下腹部の開腹手術を受けた経験がある(例:大腸手術や前立腺全摘出術など)
- 入院したほうが安心だと思う
ただし、加療中で安定している方は検査結果の内容によって、また血液をサラサラにする抗血栓薬を服用している方は、一時的に薬を中断することで日帰り手術を受けられる場合があります。
また「手術後の状態が不安なので入院したい」とお考えの方にとっては、病院のほうがよいということになるでしょう。
いずれにしても、鼠径ヘルニアは放置しても改善することはありません。もし気になる症状があれば、早めに医療機関を受診してください。
なお当院では、LINEによる無料相談を承っています。お気軽にご利用ください。
Q:鼠径ヘルニアは何科に行けば良いですか?
鼠径ヘルニアを専門にあつかう診療科は、外科または消化器外科です。
消化器外科は、食べた物の消化や吸収、排泄などを担う消化器の病気を手術によって治療する診療科です。
鼠径ヘルニアは、腸管の一部が皮膚の下に飛び出す病気なので、消化器外科の領域です。
「鼠径ヘルニアは何科を受診するのが適切?最適な診療科とよくある勘違い」も、あわせてお読みください。
Q:鼠径ヘルニアの手術費用と治療代はいくらですか?
鼠径ヘルニア手術は保険診療の対象になるため、全国どの医療機関で同じ日帰り手術を受けても医療費の差はほぼありません。また多くの給与所得者の方が「高額療養費制度」を利用できます。
医療費が3割負担の方の手術費用は約80,000円、2割負担の方は約18,000円です。このほか診察や検査の費用がかかります。くわしくは「手術費用とお支払い方法」のページを参照ください。
Q:なぜ鼠径ヘルニアを専門で診るのですか?
鼠径ヘルニアで悩んでいる、困っている方が多くいらっしゃるためです。
鼠径ヘルニアは手術でしか治療できませんが、手術自体は比較的短時間で終わるシンプルなものです。
痛みの少ない腹腔鏡手術を外科専門医・麻酔科専門医・手術室専門看護師のチーム体制で担当することで、患者さまにかかる負担を最小限にとどめ、かつ安全な手術を行えると考えています。
この記事の著者
菅間 剛(かんま たけし)
2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。