50代からのおしっこの悩みは「年のせい」ではない?頻尿・尿のキレを根本から治す方法

最近、夜中に何度もトイレで目が覚めてしまう・・・
キレが悪く、残尿感が気になるようになった・・・
若い頃に比べ、トイレが近くなった・・・
50代を過ぎてから、このような「おしっこの悩み」を抱えていませんか?
恥ずかしくて誰にも言えないと、人知れずストレスを感じている方は少なくありません。
しかし、安心してください。これはあなただけの特別な悩みではなく、50代以上の男性の多くが直面する共通の悩みなのです。
多くの方がもう歳だから仕方がないと自分に言い聞かせ、我慢したり、市販薬でごまかしたりして日々を過ごしています。しかし、その症状を年齢のせいにして放置するのは早合点かもしれません。
「年のせい」ではなく、前立腺の肥大かも?
おしっこが近くなる、キレが悪くなるという症状の裏には、「前立腺肥大症」という隠れた原因が潜んでいるケースが非常に多く見られます。
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱のすぐ下にあり、尿道をぐるりと囲むように位置しています。若い頃はクルミ程度の大きさですが、加齢とともに男性ホルモンのバランスが変化することで、徐々に肥大化していきます。この前立腺が肥大して尿道を圧迫することで、おしっこが出にくくなったり、残尿感が生じたり、膀胱が過敏になって夜間頻尿を引き起こしたりするのです。
データによると、前立腺肥大症は50代男性の約半数、高齢者になると9割近くが関わっていると言われるほど一般的な疾患です。つまり、「年のせい」と諦めている症状の多くは、実は適切な治療が必要な「病気」のサインである可能性が高いのです。放置すると、尿が全く出なくなる「尿閉」や、腎臓への深刻なダメージを引き起こすリスクもあります。
市販薬や生活習慣の改善だけで根本的に治らない理由
おしっこの悩みに直面した際、多くの方がまずは自力でどうにかしようと考えます。ドラッグストアで頻尿対策の漢方薬やサプリメントを購入したり、夕方以降の水分摂取を控えたり、カフェインやアルコールを制限したりといったセルフケアを試す方も多いでしょう。
もちろん、こうした対策で一時的に症状が和らぐことはあります。しかし、生活習慣の改善や市販薬では、「肥大してしまった前立腺」そのものを小さくすることはできません。
市販薬はあくまで対症療法(症状を一時的に抑えるもの)であり、尿道を圧迫している根本的な原因(前立腺の肥大)を取り除いているわけではないのです。根本的な原因を放置したままでは、いずれ症状は進行し、生活の質(QOL)は低下し続けてしまいます。根本から解決するためには、医療機関での適切な診察と治療が不可欠です。
頻尿・前立腺の悩みは医療機関で「治せる時代」へ
「病院に行くと、一生薬を飲み続けなければならないのでは?」
「手術となると、長期入院が必要で仕事に穴を開けてしまう」
そんな不安から泌尿器科の受診をためらっている方もいるかもしれません。しかし、医療技術は日々進歩しており、前立腺肥大症は医療機関でしっかりと「治せる時代」になっています。
初期であれば薬物療法で進行を抑えることも可能ですが、最近では身体への負担が極めて少ない「日帰り手術」という選択肢が主流になりつつあります。 昔のように何日も入院して痛みを我慢する必要はありません。
最新の低侵襲治療(切らずに治す、または最小限の負担で治す治療)であれば、麻酔科専門医による適切な痛みの管理のもと、安心して手術を受けることができます。多くの場合、翌日にはデスクワークなどの仕事に復帰することが可能です。
おしっこの悩みは、我慢して一生付き合っていくものではありません。専門医のサポートを受ければ、ぐっすり眠れる夜と、不安のない快適な日常を取り戻すことができます。まずは一度、「手術で根本から治す」という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)
2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。