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なぜ調布で「日帰り手術」に特化したクリニックを開いたのか?院長の想いと開業ストーリー

2026.10.30

当クリニックは、開業当初は鼠径ヘルニア(脱腸)に対する「日帰り腹腔鏡手術」を中心にスタートいたしました。

現在は「調布日帰り手術センター」という屋号も立ち上げ、前立腺肥大症の日帰り手術(WAVE治療・Rezum等)など対象疾患を広げ、日帰り手術専門クリニックとして診療を行っています。

おかげさまで開院以来、調布市内や多摩地域のみならず、山梨県や神奈川県など遠方からも多くの患者様にご来院いただいております。

今回は、私がどのような医療の道を歩み、なぜ大病院ではなく「日帰り手術に特化した小さなクリニック」を開院するに至ったのか、そしてなぜこの「調布」という街を選んだのか、その背景にある想いをお話ししたいと思います。

菅間家9代の医療の歴史と生まれ育った調布への深い愛着

江戸時代から続く医師の家系と、地域に根ざした医療

私の実家である菅間家と医療の関わりは非常に深く、遡ると江戸時代、初代の菅間丘丁が仙台・伊達藩で医師を始めたのが始まりで、私でちょうど9代目になります。

そして約60年前、7代目(心臓血管外科医)である私の祖父・菅間直が調布市小島町に「菅間医院」を開業しました。現在は8代目(外科医)である私の父・菅間裕が医院を継承し、現在も調布の地域医療に携わっています。幼少期から、父や祖父が地域の方々の健康を真摯に守り続ける背中を見て育ったことが、私が医師を志す原点となりました。

調布第一小で過ごした日々──愛着ある街への恩返し

私自身も小学校2年生までこの調布市で育ち、クリニックのすぐ近くにある調布第一小学校に通っていました。当時は登校途中に調布パルコが少しずつ建設されていく風景を毎日眺めていたのを今でも鮮明に覚えています。

月日が流れ、調布駅周辺は地下化され、トリエ京王調布や映画館、ビックカメラなどができて街の利便性は飛躍的に向上しました。しかし、深大寺や布多天神社、水木しげる先生ゆかりの文化など、街が持つ豊かな温もりと活気は昔と少しも変わっていません。

「自分が麻酔科専門医として培ってきた技術で、大好きな調布の街、そして地域の方々に最大限の恩返しをしたい」──その想いが、この場所で開院を決意した大きな理由の一つです。

麻酔科医として抱いた、日本の医療への「問題意識」

大病院の待ち時間と、数日間の入院がもたらす生活への負担

私は2007年に慶應義塾大学医学部を卒業後、麻酔科医としてのキャリアを歩み始めました。慶應義塾大学病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学などで、心臓外科手術など高難易度のものを含む多くの手術麻酔を担当してきました。

その中で常に感じていたのは、日本の急性期医療における「非効率さ」と「患者様の身体的・時間的負担の重さ」でした。

鼠径ヘルニアは、適切に治療すれば傷も小さく、短時間で身体への負担少なく治せる病気です。欧米ではすでに80〜90%以上が日帰り手術で行われており、日帰り手術がスタンダードな選択肢となっています。しかし、日本においては現在でも多くの大病院で「初診・検査・入院・手術・退院」までに何回も通院させ、3泊4日〜1週間ほどの入院を求めるケースが少なくありません。

「半日あれば元気に帰れるはずの手術のために、患者様が何日も仕事を休み、入院生活で体力を落とし、ご家族にも負担をかけている」──この現実に、強い歯がゆさを感じていました。

「大病院にすべてを集約する」から「特定機能を取り出した専門クリニック」へ

大病院には、救急救命や高度ながん治療など、病院でしかできない役割があります。本来、鼠径ヘルニアのような低侵襲(身体へのダメージが少ない)な手術は、機能を取り出して特化したクリニックで完結させるべきです。

「誰でも受診しやすく、待ち時間が少なく、その日のうちに安心して日常生活へ戻れるクリニックを作ること。それこそが、日本の医療をより円滑に回し、患者様のQOL(生活の質)を真に守る道ではないか」と考えました。この問題意識こそが、当院の設計思想の核となっています。

なぜ「日帰り手術」に特化したのか──鼠径ヘルニアから前立腺肥大症、そしてさらなる領域へ

気軽に日帰り治療を選べる場所が少なかった

鼠径ヘルニアは男性の3人に1人が生涯のうちに一度は発症すると言われ、前立腺肥大症も加齢とともに多くの男性が直面する非常に身近な病気です。しかし、「仕事や生活を長期間休めない」「入院の手続きや費用が負担」「手術や痛みが怖くて言い出せない」と、症状を我慢して一人で抱え込んでいる方が多くいらっしゃいます。

放置してしまうと、飛び出した腸が戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」を起こし、腸閉塞や壊死を引き起こして命に関わる緊急手術になるリスクもあります。「もっと早く、気軽に相談できる場所さえあれば、手遅れになる前に治せるのに」という強い思いがありました。

「日帰り手術」に特化すれば、治療精度と安全性を高められる

クリニックを一疾患に特化させることには、大きな医療的メリットがあります。

クリニックの機能を「日帰り手術」に絞り込むことには、大きな医療的メリットがあります。すべての医療機器、器具の滅菌システム、看護師や事務スタッフの動線、術前術後のプロトコールを日帰り手術に最適化できるため、無駄が削ぎ落とされ、手術の精度と安全性を極限まで高めることができます。

当院では、オリンパス社製の高性能腹腔鏡システムやGE社製の最新麻酔器、水蒸気を用いた前立腺肥大症治療装置など、大学病院・総合病院と同等以上の高水準な医療設備を導入しています。現在は鼠径ヘルニアや前立腺肥大症を中心に提供していますが、今後はさらに患者様のニーズに応え、日帰り手術で対応可能な疾患の範囲を広げていく方針です。

麻酔科専門医として譲れない安全性と痛みの軽減

「日帰り」だからこそ、大学病院レベルの麻酔・安全管理を

「クリニックでの日帰り手術」と聞くと、安全面を心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私は麻酔科専門医として断言できます。日帰り手術において何よりも最優先されるべきは「安全性」です。

当院では、麻酔科専門医である私と、経験豊富な内視鏡外科学会認定の外科専門医がタッグを組む「チーム医療」を徹底しています。術前の全身状態の評価、合併症リスクの管理、術中の全身麻酔深度のミリ単位の調整、そして術後の覚醒管理まで、厳格な安全基準のもとで実施しています。

「その病気、すぐ治ります」──痛みのない笑顔での日常生活へ

もう一つのこだわりは「痛みの徹底的なコントロール」です。

当院の腹腔鏡手術では、腹壁に金属の画鋲を打ち込むような従来の固定具を使わず、組織に自然に密着する高機能な「プログリップメッシュ」を採用しています。これにより、術後の鼠径部の痛みを大幅に抑えることに成功しています。

手術を受けた患者様が麻酔から覚めたとき、最初に口にされる言葉の多くは「えっ、先生、もう終わったんですか?」です。痛みや恐怖を感じることなく、少しお昼寝をしている間に治療が終わり、その日の午後にはご自身の足で歩いて帰宅される──その安心した笑顔を見ることが、医師として何よりの喜びです。

一人で悩まないでください

調布駅前そけいヘルニアクリニックは、患者様が安心して日常生活を送り続けられるよう、確かな技術と温かい医療で支えるクリニックでありたいと考えています。

足の付け根のふくらみ・違和感や、尿の悩みでお困りの方、他院で「数日間の入院が必要」と言われて悩んでいる方、痛みが怖くて手術を躊躇している方──どうか一人で抱え込まず、気軽にご相談ください。

スタッフ一同、万全の安全体制と笑顔で、あなたのご来院をお待ちしております。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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