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そけいヘルニア知恵袋

鼠径ヘルニアの検査方法は?診断までの流れを解説

2024.06.26

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。

足の付け根に、ピンポン玉くらいの大きさのふくらみが現れたら、鼠径ヘルニアを発症した可能性があります。鼠径ヘルニアは、それほど怖い病気ではありませんが、放置しておくと緊急手術が必要になるリスクをはらみます。

また鼠径ヘルニア以外の病気を患っているケースもあるため、早めに医療機関を受診して検査を受けたほうがよいでしょう。

鼠径ヘルニアの検査方法

鼠径ヘルニアは、ふくらみやしこりが目に見えることが多く、基本的に問診とともに足の付け根を目でみて観察する視診、手で触って調べる触診での診断が可能です。患者さんには立った状態で、腹部に力をこめてもらいヘルニアの場所やふくらみの大きさ、状態を観察します。

ただし、鼠径ヘルニア以外の原因でふくらみができることもあるため、当院では鼠径ヘルニアの疑いが強い方については、CT検査を受けていただいています。

鼠径ヘルニア以外で、足の付け根にふくらみができる病気については「足の付け根にできた“ふくらみ”は鼠径ヘルニアのサイン?早めの受診が重要な理由」の記事を参照してください。

CT検査とは?痛みは?安全な検査?

CTは、X線によって体の断面図を調べる検査方法で、鼠径部を輪切り状に撮影するとヘルニアの状態をくわしく観察できます。同じくX線を使うレントゲン検査よりも一度に詳細な情報を得られるため、サイズの小さなヘルニアや触診だけでは見つけづらいヘルニアも確実に発見できます。これによって、足の付け根にできたふくらみが鼠径ヘルニアによるものか断定することが可能です。

通常は仰向けで撮影するCT検査ですが、鼠径ヘルニアではうつ伏せで、お腹に力を入れた状態で撮影が行われます。これでヘルニアが飛び出している様子が画像に捉えられます。

なおCT検査での被ばく線量は、1回あたり5〜30 mSv(ミリシーベルト)といわれています。レントゲン検査に比べるとやや被ばく量は多いものの、人体の健康に影響をおよぼすといわれる100mSvには到達しません。 

CT検査は痛みをともなうようなものではなく、身体にかかる負担も少ないため鼠径ヘルニアの画像検査では、CTがよく用いられています。

超音波検査について

鼠径ヘルニアの検査では、CTと同じく超音波(エコー)によってヘルニアの様子を観察する方法もよく行われます。超音波検査のメリットは、患者さんに力を入れたり抜いたりしていただくことで、ヘルニアの出入りの様子もふくめてリアルタイムで観察できる点です。

ただし画像の鮮明度では、CT検査のほうが優れているため、当院では確定診断のため、皆さんにCT検査を受けていただいています。

手術前には血液検査・心電図検査も行います

当院では、日帰り手術を受ける前に、血液検査と心電図検査も行います。

安全に日帰り手術を受けていただくためには、血液と心臓の状態を確認するプロセスは欠かせません。

血液検査によってわかること

  • 貧血の有無
  • 糖尿病の有無とその程度
  • 感染症の有無
  • 肝機能・腎機能
  • 血液凝固能

また心電図検査によって危険な不整脈や伝導障害の有無を調べます。仮に異常が見つかった場合は、日帰り手術をおすすめすることはありません。必要な治療を受けるか、入院で手術を受けられる医療機関をご紹介しますのでご安心ください。

検査で異常がなければ、次に来ていただく日に手術を行います。つまり1回目で診断と検査、2回目に来院されるときは日帰り手術を受けていただくため、最短2回の来院で手術まで完了するのは日帰り手術の大きなメリットといえるでしょう。

なお当院では、来院前にLINEによる無料相談を承っています。お気軽にご利用ください。

Q:鼠径ヘルニアの検査はどんなことをするのですか?

鼠径ヘルニアが疑われる場合、まず医師が患部を観察し、手で触れて確認します。鼠径部のふくらみの有無やふくらみが出たり引っ込んだりしないかなどを調べます。

より詳細な検査として、CT検査や超音波検査が用いられることもあります。

Q:鼠径ヘルニアはCTでわかりますか?

鼠径ヘルニアは、足の付け根のふくらみという症状が特徴的なため、多くは視診・触診でも診断可能です。ただし、ふくらみが鼠径ヘルニア以外の病気によるものだったり、お腹の中に別の重大な病気が見つかったりする可能性もあるため、CT検査によってヘルニアの患部を撮影することでより確実に診断し、安全に日帰り手術ができるか確認しています。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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