鼠径部の痛みの原因は鼠径ヘルニア以外の可能性
2023.07.22
足の付け根が痛む原因は、鼠径ヘルニアだけではありません。リンパ節の腫れ、筋肉や腱の負担、股関節の病気なども考えられます。痛みが出る動作や、膨らみ・発熱の有無によって、確認すべきことが変わります。
鼠径部が痛むときに考えられる原因
鼠径ヘルニア
立ったときや腹部に力がかかったときの膨らみとともに、引っ張られる感じや痛みが出ることがあります。膨らみが目立たない場合もあるため、痛みだけで否定はできません。
膨らみを中心に確認したい方は、足の付け根の膨らみと受診の目安をご覧ください。
リンパ節の腫れ
感染や炎症などに伴い、鼠径部のリンパ節が腫れて痛むことがあります。脚の傷や皮膚の異常、発熱の有無なども診察で確認します。長く続くしこりや、徐々に大きくなるしこりも相談が必要です。
鼠径部痛症候群など、運動に関連する痛み
走る、蹴る、体をひねるといった動作で痛みが出る場合、鼠径部周辺の筋肉や腱などへの負担が関係していることがあります。いわゆるスポーツヘルニアは、一般的な鼠径ヘルニアと同じ病気を指すとは限りません。
休むと軽くなるものの、運動を再開すると痛みが戻る場合は、無理を続けず整形外科などで相談してください。
股関節や婦人科領域の病気
股関節の病気で足の付け根が痛むことがあります。歩行や股関節を動かしたときの痛み、動かしづらさも診察時に伝えましょう。女性で月経に合わせて痛みや腫れが変わる場合は、婦人科での確認が必要なこともあります。
急いで受診したほうがよい症状
急に強い痛みが出た、膨らみが戻らない、嘔吐を伴う場合は、通常の受診日まで待たずに医療機関へ連絡してください。強い痛みを伴う膨らみを無理に押し込むことは避けましょう。
何科に相談すればよい?
膨らみやヘルニアが疑われる症状は外科・消化器外科、運動や股関節の動きに関連する痛みは整形外科が相談先になります。どこに相談すべきか迷う場合は、かかりつけ医に相談しても構いません。
痛む場所、始まった時期、痛みが出る動作、発熱や膨らみの有無を伝えてください。原因に応じて必要な検査や治療を選ぶことが、改善への第一歩です。
この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)
2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。