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そけいヘルニア知恵袋

医療の進化でスタンダードになった腹腔鏡手術

2023.07.21

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。

今日は腹腔鏡手術を始めとした近年の医療の発展について語ろうと思います。

実は去年の暮れに地方に住む従姉妹がわざわざ新幹線で東京を訪れ、かつて私の勤めていた練馬区の病院で手術を受けました。それは腹腔鏡による婦人科の手術だったのですが、木曜日に入院して金曜日に手術を受け、月曜の朝には退院してその足で一緒にランチに行き、そのまま新幹線に乗って帰っていきました。

こちらで手術を受けるきっかけは従姉妹から私への相談でした。それは、「(ある婦人科の疾患で)今度手術を受けるのだが、開腹手術で入院と自宅療養期間も含めて仕事を1か月休むように言われた。もう少し短く、せめて2週間くらいにする方法はないか?」という内容でした。

私は失礼ながら未だにそんな病院があることに驚きました。特殊な例を除いてその病気で開腹手術をするのは長らく見ていなかったからです。すぐに知り合いのドクターと連絡を取り、従姉妹を東京まで来させて受診させ、腹腔鏡手術を受けさせました。結局木曜に東京に来て月曜に帰ったので5日の滞在で済みましたし、その翌日には問題なく仕事に復帰できました。

地方で私の従姉妹を診ていただいたのはご年配の先生だったと聞きました。きっと地域医療を長い間支えてこられた立派な先生だと思います。しかし近年の医療の発展は目覚ましいものがあり、新しい技術や機器、薬剤が次々と入ってきており、10年前と今とでは全く別物になっているのです。臨床の前線に立つ以上は、常に知識をアップデートしなければ良い医療は提供できないのです。

私が医者になった2007年当時は腹腔鏡手術の適用は胆のう摘出くらいしかありませんでした。また消化管の手術で腸管などを吻合するのも人の手で縫合していたため、よく縫合不全を起こしていました。しかし現在は腹部のほとんどの臓器に腹腔鏡手術が適用され、吻合(ふんごう)も機器によって行われるようになり、出血も少なく手術の成功率はぐっと上がったように感じます。また近年はロボットによる手術も増えてきており、より安全な手術が可能になっています。

鼠径ヘルニアの手術も同じように発展していきました。10年前はほとんど見かけなかった腹腔鏡を用いた手術が、日本全体でもあっという間に症例数が増え、今では腹腔鏡手術の方が半分以上を占めるようになって、さらに毎年増えています。腹腔鏡による鼠径ヘルニアの手術は傷が小さく術後の痛みが少ないため、入院期間がゼロの日帰り手術がより快適に受けられる環境がより整ったといえます。

鼠径ヘルニアの手術をご検討の方はぜひ当院に一度ご相談いただければと思います。最新の医療機器と技術で皆様をお待ちしております。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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