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鼠径ヘルニアとスポーツ復帰~術後の安全な運動方法と注意点~

2025.07.30

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。

多くの場合、鼠径ヘルニアの手術は日帰り手術で対応できます。しかし、日頃からスポーツをしている人は、術後の過ごし方について注意が必要です。

今回は鼠径ヘルニアの手術後にスポーツ復帰するまでの目安期間や、スポーツをする際に気を付けるべきポイントについて解説します。

鼠径ヘルニア手術後のスポーツ復帰は「1~2カ月ほど」を目処に様子をみる

鼠径ヘルニアの手術後にスポーツをするのであれば、術後1カ月から2カ月ほどを目処に様子をみながら始めましょう。

というのも、鼠径ヘルニアの手術で使われるメッシュは、術後2週間~1カ月ほどで体内に固定されるからです。

メッシュが固定されていない状態でスポーツを行ってしまうと、メッシュがずれてしまう可能性があり、再発リスクが高まります。

そのため、自分の体と相談しながら、1~2カ月頃を目処に少しずつスポーツを再開していくことが望ましいです。

あわせて「鼠径ヘルニア手術後の日常生活:仕事・運動・入浴時のポイント」の記事もお読みください。

ゴルフなどスポーツは要注意!鼠径ヘルニアの術後に気を付けるべきこと

術後にスポーツをする場合、腹圧がかかりやすいスポーツや体幹をひねる動作が多い競技には、特に注意が必要です。

注意すべきスポーツには、次のようなスポーツが挙げられます。

・ゴルフ
・テニス
・ボウリング
・水泳

これらのスポーツをする際に、突っ張る感じやチクチクした感じ、下腹部に痛みを覚えた場合は、すぐに運動を中止してください。

それ以上負担をかけてしまうと、再発リスクが高まります。またスポーツ後にも違和感が続くようであれば、専門医に相談することが大切です。

鼠径ヘルニアの手術に関するQ&A

患者さんからよく聞かれる質問に対して回答します。

Q:鼠径ヘルニア手術後の安静期間はどれくらいですか?

鼠径ヘルニアの術後は、特に安静にする必要はありません。手術当日から日常的な生活を送れます。またデスクワークであれば、翌日から再開できます。

しかし、重たい荷物を運ぶなど腹圧がかかりやすい動作は、術後2週間ほどは避けるほうが無難です。

あわせて「最短翌日!鼠径ヘルニアにおける手術後の社会復帰について」の記事もお読みください。

Q:鼠径ヘルニアの手術後に後遺症はありますか?

鼠径ヘルニアの手術後の後遺症として、「慢性疼痛(まんせいとうつう)」があります。

慢性疼痛とは術後3カ月以上にわたり、持続的に痛みが現れる症状です。慢性疼痛の症状があれば、手術を受けた医療機関までご相談ください。

あわせて「鼠径ヘルニアの手術後に後遺症・合併症は発生する?」の記事もお読みください。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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