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鼠径ヘルニアの放置は危険!最悪の場合「壊死」するケースも

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。

鼠径ヘルニアは男性のおよそ3人に1人が生涯を通じて発症する病気であり、「命に関わる病気ではない」と思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。

しかし鼠径ヘルニアは、腸が壊死してしまうリスクを伴う病気であるため、注意が必要です。

そこで今回は、鼠径ヘルニアを放置することで起こりうるリスクを専門医の立場からわかりやすく解説します。

鼠径ヘルニアを放置すると3つの合併症を引き起こす可能性がある

鼠径ヘルニアを放置すると、押し出された腸が元に戻らなくなるなど、重大な合併症を引き起こす恐れがあります。

ここでは、鼠径ヘルニアを放置することで起こりうる3つの合併症について解説します。

①嵌頓(かんとん)

「嵌頓(かんとん)」は、飛び出した腸などの臓器が元に戻らなくなり、締め付けられてしまう状態です。

嵌頓を引き起こすと強い痛みや吐き気、発熱などを伴うことが多く、放置すると腸への血流が途絶えて「壊死」する可能性があります。

そうなると緊急手術が必要になるため、「膨らみが戻らない」「強い痛みがある」といった症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

あわせて「嵌頓(かんとん)とは?発症確率や痛みを専門医が解説」の記事もお読みください。

②腸閉塞(ちょうへいそく)

「腸閉塞(ちょうへいそく)」とは、腸の通り道がふさがってしまい、便や腸液が流れなくなってしまう状態です。

腸閉塞を発症すると、お腹の張りや吐き気、嘔吐、便が出なくなるといった症状が現れます。

「お腹が張って苦しい」「吐き気が続く」といった症状が出ている場合は、鼠径ヘルニア以外に腸閉塞の疑いもあります。

③腹膜炎(ふくまくえん)

嵌頓を引き起こして腸の組織が腐ってしまうと、壊死した腸から細菌が漏れ出し、臓器をおおっている腹膜が炎症を引き起こします。

これを「腹膜炎(ふくまくえん)」といいます。

腹膜炎は、発症すると高熱や強い腹痛、意識の低下などを伴う可能性があり、最悪の場合、命に関わる病気です。

鼠径ヘルニアの治療は「日帰り手術」で対応できる

鼠径ヘルニアの治療には全身麻酔での手術が必要となるため、「入院手術での治療」と考えている人も多いでしょう。

しかし鼠径ヘルニアの手術は、比較的体への負担が少ない手術であるため、多くの場合で「日帰り手術」で対応できます。

当院においても、身体への負担が少ない「腹腔鏡手術」、術後の痛みを軽減する「局所麻酔」「神経ブロック」と、患者さんの安全と安心を考えた手術を実施しています。

そして手術当日に帰宅できるため、鼠径ヘルニアをスムーズに治療したい人は、一度当院へご連絡ください。

当院については「選ばれる理由」で紹介しています。

鼠径ヘルニアの放置に関するQ&A

患者さんからよく聞かれる質問に対して回答します。

Q:鼠径ヘルニアを放置してもいい期間は?

鼠径ヘルニアは自然に治る病気ではないため、「放置しても大丈夫な期間」は明確に定められていません。

初期段階では痛みが軽くても、時間の経過とともに膨らみが大きくなったり、腸が締め付けられたりするリスクが高まります。

そのため、違和感を覚えた時点で早めに専門医に相談し、診断を受けることが大切です。

あわせて「鼠径ヘルニアの進行速度には個人差があります。」の記事もお読みください。

Q:鼠径ヘルニアは手術なしで治せる?

鼠径ヘルニアは、手術なしでは完治しません。根本的に治すには、手術で弱くなった筋膜を補強する必要があります。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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