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そけいヘルニア知恵袋

鼠径ヘルニアの日帰り手術のメリットとリスクを比較

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。

鼠径ヘルニアの治療にあたっては、日帰りでの手術を希望する患者さんが増えています。仕事が忙しくまとまった休みを取りづらい方やご家庭の事情で数日間家をあけたくない方など、日帰り手術の人気は年々高まっています。

鼠径ヘルニアの自覚症状がある、または診断を受けた場合は、早めの治療が大切です。拘束時間が短いこと以外にも日帰り手術にはさまざまなメリットがありますので、麻酔科専門医として多くの鼠径ヘルニア手術に携わってきた立場から、日帰り手術のメリットについて解説します。

鼠径ヘルニアの日帰り手術を受けるメリット

鼠径ヘルニアのようにキズが小さい手術は、患者さんの身体にかかる負荷も少ないため、海外ではほぼ100%が日帰り手術で行われていると言われます。まだ日本では「手術を受けるには入院が必要、だから病院に行かなければならない」という考えをお持ちの方が(医療者の中にも)多いのが現状です。

ただ、鼠径ヘルニア以外の疾患でも「日帰り手術」はだいぶ浸透してきたように思われます。これは入院するよりも、日帰り手術のほうがさまざまなメリットがあるためと言えます。

メリット1:痛みが少なく回復も早い

鼠径ヘルニアの日帰り手術では全身麻酔を用いるため、手術中に痛みを感じることはありません。特に腹腔鏡を使う手術の場合、身体にできるキズが小さく術後の痛みもかなり抑えられます。

手術後の回復が早いことから、一般的に手術翌日から仕事への復帰が可能です。

メリット2:日常生活への影響が少ない

「日帰り手術を受ける」と決めたら、手術日の予約を取っていただきます。手術日は平均して2週間から1か月程度、先になることが一般的です。もちろん日帰り手術のため、ベッドが空くまで入院をお待ちいただく必要もありません。

手術の前日までいつも通りの生活が送れるので日常生活への影響はわずかで済みます。たとえば出張や旅行などの計画も立てやすいでしょう。入浴も手術当日のみシャワーに制限していただきますが、翌日から入浴が可能です。

メリット3:入院に関する準備が不要

もし入院した場合、数日間は家を留守にすることになります。ご家族の介護やペットの世話など、ご本人が留守中の体制を整えたり、誰かを雇って依頼したりするわずらわしさが生じます。日帰り手術なら、ご自身が不在の時間は手術当日のわずか数時間程度です

ご家族と離れて過ごす精神的なストレスが少なく、入院時の付き添いや荷造り、洗濯物のケアなど、ご家族のみなさんにかかる負担も最小限で済むでしょう。

鼠径ヘルニアの日帰り手術のリスク

日帰り手術は、入院する場合と比べてメリットの多い方法ですが、なかには鼠径ヘルニアの日帰り手術が適していない患者さんもいらっしゃいます。

  • ・糖尿病や心臓病などの既往症がある

※ただし、加療中で安定している方は、検査結果の内容によって日帰り手術を受けられる場合もあります。

  • ・鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術を左右どちらか同じ側で受けたことがある
  • ・下腹部の開腹手術を受けた経験がある(例:大腸手術や前立腺全摘出術など)

一方で、血液をサラサラにする抗血栓薬を飲んでいる患者さんも、一時的に薬の服用を中断することで日帰り手術を受けられる場合があります。

  • ・入院して手術を受けたい

「手術後に不測の事態が起こるのが不安なので入院したい」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。こうした方に、日帰り手術を無理にはおすすめしません。当院では入院の希望をかなえられないため、入院できる適切な医療機関をご紹介します。

Q. どのような人に日帰り手術をおすすめしますか?

日帰り手術は、仕事が忙しくてできるだけ早く日常生活に復帰したい方や入院によって自宅を留守にしたくない方に特におすすめします。

Q. 日帰り手術の後、痛みがあれば相談にのってもらえますか?

手術後もなんでもお気軽にご相談ください。手術翌日に電話でご連絡して状況確認を行うほか、その後も気になる点があればお気軽にご連絡いただければと思います。

Q. 保険適用による自己負担額は?

鼠径ヘルニアの手術は保険診療の対象です。同じ日帰り手術をどの医療機関で受けても医療費の差はほぼありません。

患者さんの年齢や収入によって自己負担額は、総医療費の1〜3割です。また多くの方が「高額療養費制度」を利用できます。

くわしくは「手術費用とお支払い方法」のページをご覧いただくか、来院時におたずねください。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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