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鼠径ヘルニアの手術前に知っておくべきこと:安全な手術のための準備

2024.10.04

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。

鼠径ヘルニアの手術を検討していても、全身麻酔で手術をすることに不安を感じている人もいますよね。そしてそんな方は、鼠径ヘルニアの手術前にはどのようなことを注意して生活を送ればいいのか疑問を感じるでしょう。

そこで今回は、鼠径ヘルニアを手術する医師の目線から、安全に手術をおこなうために知っておいてほしいことについて紹介します。

鼠径ヘルニア手術前の運動・食事は普段どおりでOK!

食事や運動においては、鼠径ヘルニアの手術前に制限することは特にありません。

ただし、手術の6時間前からは水分は摂取してよいものの、食事は控えていただくようお願いします。ゼリーやヨーグルトといった食べ物も同様です。また、運動に関しては手術前であっても特に制限はありません。

【要注意】鼠径ヘルニアの手術前にすべきこと3選

鼠径ヘルニアの手術前は食事や運動は普段どおりで良いものの、手術後の痛みを和らげるためにも飲酒などは控えることが大切です。そこでここでは、鼠径ヘルニアの手術前にすべきことを3つ紹介します。

より安全に手術を受けていただくためにも、確認しておいてください。

①喫煙は控える:肺炎のリスクがある

日頃から喫煙をしている方は、手術をすることを決めた段階で喫煙を控えてください。

なぜなら、喫煙は気道や肺の正常機能を低下させることから手術中の呼吸管理が難しく、手術によるリスクも大きくなるからです。なお日頃から喫煙している方は、手術の4週間以上前からの禁煙が推奨されています。

また、術後も鼠径ヘルニアの再発を防止するために喫煙を控えることが大切です。

喫煙は肺炎などの呼吸器合併症を増やすだけでなく、創の治りを悪くし、術後の回復を遅らせることがわかっています。

②飲酒は控える:痛みが増す可能性がある

飲酒は血行を良くする効果があるため、手術後の痛みや炎症を引き起こす可能性があります。そのため、手術前日と当日は飲酒を控えてください。

あわせて「鼠径ヘルニアでお酒は飲んでいいのか?手術前後のアルコール摂取は?」の記事もお読みください

③おへそを掃除する:手術での感染リスクを下げられる

鼠径ヘルニアの治療には、腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)と鼠径部切開法があります。

そして腹腔鏡手術の場合、おへそから機器を入れるため、おへその中を清潔に保っておく必要があるのです。そのため、手術当日までにおへそを掃除しておいてください。

鼠径ヘルニアの手術に関するQ&A

患者さんから多く聞かれる質問に対して回答します。

Q:鼠径ヘルニアの手術はいつするのがいいですか?

鼠径ヘルニアの手術は、大小かかわらずお腹にふくらみが出ていれば手術できます。

また放置してしまうと、腸が壊死するリスクのある嵌頓(かんとん)を引き起こす可能性もあるため注意しましょう。

Q:鼠径ヘルニアの術前検査にはどんな検査がありますか?

当院で実施している鼠径ヘルニアの術前検査は、以下のとおりです。

・血液検査
・心電図検査
・CT検査(当院が提携している画像診断クリニック)

術前検査はどれも簡単に終わる検査ですので、安心してください。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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