鼠径ヘルニアでお酒は飲んでいいのか？手術前後のアルコール摂取は？

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間（かんま）です。

鼠径ヘルニアは、日帰り手術で治療できる疾患です。全身麻酔を使用した腹腔鏡手術は、キズが比較的小さく痛みをコントロールしやすいため、手術翌日には仕事に復帰することも可能です。

食事やアルコール（お酒）、運動の制限、再開時期についてのご質問が多いため、今回はまとめて回答します。

鼠径ヘルニアを発症しても食事や飲酒制限はない

鼠径ヘルニアを発症したからといって、日常生活に制限が出るわけではありません。重い荷物を持つ、長時間の立ち仕事をするなど、お腹に圧力がかかりやすい状態は悪化を招くおそれがあります。

飲みすぎ食べすぎが体に悪いのはもちろんですが、食事やお酒を我慢する必要はないでしょう。

手術前日までほぼ普段どおりの生活が可能です

当院での手術を受ける場合を例に説明すると、前日までほぼ普段どおりの生活が可能です。

食事は前夜22時までに済ませていただき、当日の朝食は抜いていただきます。アルコールは、手術前日と当日の2日間は控えてください。

お水やお茶は、手術当日の朝7時までお飲みいただけます。（午後に手術を受ける方は、朝10時まで飲水が可能）

胃の中を空っぽにしておかないと、全身麻酔をかけたときに安全な手術を行うことができませんので、必ず守ってください。

手術後もお酒をひかえる理由

飲酒は血行をよくする作用があるので、内出血を引き起こす原因となります。痛みや炎症につながる可能性もあるので、手術前日と当日の2日間は、アルコール摂取をひかえましょう。

手術翌日以降、痛みを感じないようなら普段どおりでかまいません。

入浴についての注意事項

前日の入浴制限はありません。手術当日は、手術でできる傷口が防水テープで覆われているため、シャワーを浴びても問題ありません。ただし入浴も血行を促すため、浴槽につかるのは手術翌日からにしてください。

手術後にしばらくは様子見したほうがよいこと

手術直後を除けば、お酒はさほど影響がないことを説明しました。ただし、スポーツなどの再開には慎重になる必要があります。

激しい運動は手術後2週間程度ひかえる

痛みがおさまっていれば、翌日から仕事を再開しても構いません。また散歩程度の運動は特に問題はありません。

ただし身体に負担のかかる激しい運動は、手術後2週間程度は我慢していただいたほうがよいでしょう。鼠径ヘルニアを再発予防するために補強に使われるメッシュが体内で固定されるまで2週間ほど必要です。腹部に負担のかかる激しい運動や重いものを持つと、再発や痛みが慢性化するリスクが高まります。

筋トレは特に注意

重い荷物を持つことが多い宅配業や建設業などの仕事は、腹部に負担がかかるために鼠経ヘルニアのリスクが高いと言われます。

鼠径ヘルニアを発症していない方であれば、腹筋運動などの筋トレを行うことは健康のために良いことと言えます。

ただし鼠径ヘルニアを発症し、手術を受ける前の方は、筋トレにより症状悪化も想定されますので、筋トレは十分注意して行ってください。

Q. アルコール摂取と鼠径ヘルニアの関係は？

飲酒の習慣があると、鼠径ヘルニアになりやすくなるといった報告はありません。当然ですが、過剰なアルコール摂取は健康を損なう可能性があるため、適量におさえましょう。

Q. 手術前の食事・飲酒の制限はありますか？

当院で手術を受ける場合は、手術前日の夜22時まで食事はいつもどおりとっていただけます。お酒は、手術前日と当日の2日間はひかえてください。

Q. 鼠径ヘルニアの手術後にアルコールは飲めますか？

特に痛みがなければ手術翌日から、飲酒は可能です。ただし血流が良くなることで出血や痛みが強くなるリスクがあるので、ほどほどにしましょう。当日帰宅後の飲酒は、ひかえてください。