【高齢者の入院リスク】「入院関連機能障害(HAD)」とは? 元気だった親が退院後に歩けなくなる理由と日帰り手術という選択肢

こんにちは、調布駅前そけいヘルニアクリニック/調布日帰り手術センター 院長の菅間(かんま)です。
「手術は無事に成功したのに、退院してきたら前より歩けなくなっていた…」
「入院をきっかけに、急に元気がなくなって認知症っぽくなった気がする…」
ご高齢の家族が入院されたあと、このような変化を感じたことはありませんか?
実はこれ、医学界でも注目されている「HAD(入院関連機能障害)」と呼ばれる現象かもしれません。
今回は、特に高齢者の方に知っていただきたいHADのリスクと、鼠径ヘルニア(脱腸)の治療において「日帰り手術」がなぜおすすめなのかについてわかりやすく解説します。
入院関連機能障害(HAD)とは?
HAD(Hospital-Acquired Disability)とは、病気やケガの治療のために入院したことがきっかけで、歩行や着替え、トイレなどの日常生活動作(ADL)が低下してしまう状態のことです。
「病気自体は治ったのに、身体の機能が落ちてしまう」という、まさに本末転倒とも言える状態ですが、特に70代・80代以上の高齢者に多く見られます。
なぜ入院すると身体が弱ってしまうのか?
主な原因は以下の通りです。
- 安静による筋力低下
ベッドの上で過ごす時間が増え、一気に足腰の筋肉が衰える(わずか数日の寝たきりで、数年分の筋力が失われることもあります)。 - 環境の変化によるストレス
慣れない病院生活で頭が混乱し、認知機能が低下したり、「せん妄」を引き起こしたりする。 - 生活リズムの乱れ
自宅での日課や役割がなくなり、生活への意欲が下がってしまう。
病気を治すための入院が、かえって「要介護状態」への引き金になってしまうことがあるのです。
高齢者の鼠径ヘルニア(脱腸)治療こそ「日帰り」がおすすめな理由
鼠径ヘルニア(足の付け根のふくらみ)は、自然治癒することがなく、治すためには手術が必要です。「高齢だから数日間入院してしっかり治したほうが安心」と思われる方も多いかもしれません。
しかし、HADのリスクを考えると、ご高齢の方こそ「日帰り手術」という選択肢を強くおすすめします。
1. 入院しないから「HADのリスク」がない
日帰り手術最大のメリットは、その日のうちに慣れ親しんだご自宅へ帰れることです。 環境が変わらないため、認知機能への影響や精神的なストレスを最小限に抑えられます。
2. 自宅で過ごすことで「歩行・運動量」を維持できる
入院中のように「一日中ベッドの上で安静にする」必要がありません。翌日から自宅で普段通りの生活(家事や散歩など)を少しずつ再開できるため、筋力の低下を防ぐことができます。
3. ご家族の負担も軽減できる
入院となると、着替えの準備や面会、退院の手続きなど、ご家族の付き添い負担も大きくなります。日帰り手術であれば、通院の送迎程度で済むため、ご家族にとっても負担が少なくなります。
鼠径ヘルニアは「日帰り」で十分に安全な時代へ
「日帰りで手術なんて大丈夫?」と不安に思われるかもしれませんが、近年の麻酔技術や腹腔鏡手術(内視鏡手術)の進化により、安全に日帰り手術を行える体制が整っています。
当院(調布駅前そけいヘルニアクリニック)では、経験豊富な専門医が身体への負担が少ない手術を行い、手術後もしっかりとリカバリーを確認したうえでお帰りいただいております。
まとめ:慣れた我が家で治す、という選択
「年だから入院は心配…」
「親が入院をきっかけに弱ってしまわないか不安」
そうお悩みの方は、ぜひ一度「日帰り手術」をご検討ください。
鼠径ヘルニアをしっかり治しつつ、これまでの元気な生活を維持するために、私たちは患者様一人ひとりに寄り添った最適な治療法をご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。
この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)
2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。