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ご家族が鼠径ヘルニアを発見したときにご本人へ伝えるべきこと
2025.07.23
こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。
ご家族の健康状態について日頃から気にかけていると、「あれ、ちょっとおかしいかも」と気付くケースもありますよね。
もしも、ご家族が下腹部のふくらみを気にしているのであれば、「鼠径ヘルニア」の可能性が高いです。
そこで今回は、ご家族が鼠径ヘルニアであるかを確かめる方法や、ご家族が鼠径ヘルニアを患っている可能性が高い時に伝えるべきことについて解説します。

家族目線で確認してみよう!鼠径ヘルニアの3つの症状
鼠径ヘルニアは加齢などによって筋膜が脆くなり、腸が腹腔外に飛び出してしまう病気のことです。
鼠径ヘルニアを発症すると次のような症状があらわれます。
・足の付け根に違和感がある
・立ち上がった時などに下腹部にふくらみがでる
・就寝時にはふくらみが引っ込む
これらの症状があれば、鼠径ヘルニアである可能性が高いです。
あわせて「鼠径ヘルニア(脱腸)の症状と対策について」の記事もお読みください。
ご家族から伝えるべきこと
ご家族が鼠径ヘルニアを患っている可能性が高いのであれば、ご家族の立場から適切な対応を取ることが大切です。
鼠径ヘルニアを患っている可能性の高いご家族には、次のようなことを伝えておきましょう。
・鼠径ヘルニアは男性にとって珍しくない病気であると伝える
・日帰り手術で完治できる病気であると伝える
・放置していると「嵌頓(かんとん)」する可能性がある
鼠径ヘルニアは男性にとって珍しくない病気であると伝える
男性の場合、およそ3人に1人が生涯を通じて鼠径ヘルニアに一度はなるといわれています。
そのため、珍しい病気ではなく、中高年であれば多くみられる病気であることを伝えてください。
そうすることで、気持ち的に少しは安心してもらえるかと思います。
日帰り手術で完治できる病気であると伝える
鼠径ヘルニアは、日帰り手術でも対応できる病気です。
そのため、ご家族が仕事で忙しかったとしても、スムーズに治療できることを伝えてください。
放置していると「嵌頓(かんとん)」する可能性がある
嵌頓(かんとん)とは、腹腔外に飛び出た腸が戻らなくなる状態を指します。
この場合、腸の血流が途絶えて壊死してしまう可能性があるため、嵌頓する前に治療することが大切です。
あわせて「嵌頓(かんとん)とは?発症確率や痛みを専門医が解説」の記事もお読みください。
鼠径ヘルニアと家族関係に関するQ&A
患者さんからよく聞かれる質問に対して回答します。
Q:鼠径ヘルニアは遺伝する病気ですか?
医学的には、鼠径ヘルニアと遺伝は関係性ないとされています。
しかし、一般的に親子の体質は似る傾向にあるため、結合組織が弱い家系であれば、鼠径ヘルニアになる可能性もその分高まると考えられます。
あわせて「鼠径ヘルニアは遺伝するか?医師の間でも意見が割れるテーマについて」の記事もお読みください。
Q:鼠径ヘルニアの患者が食べないほうがいい食事はありますか?
鼠径ヘルニアになったとしても、特に食事制限をする必要はありません。
この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)
2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。