TEL. 042-480-7778

火・水・金・土・日/9:30-17:30(完全予約制)

ブログ
  • ホーム
  • ブログ
  • 鼠径ヘルニアは早期治療が大切!最適な手術のタイミングと入院が必要なケースを解説

鼠径ヘルニアは早期治療が大切!最適な手術のタイミングと入院が必要なケースを解説

2024.04.09

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。

鼠径ヘルニア(脱腸)は足の付け根のふくらみという典型的な症状が現れても、放置されることが多い病気です。早期に受診すれば比較的治療しやすい疾患ですが、放置することで嵌頓(かんとん)の状態になれば、最悪は命の危険にさらされることもあります。

気になる症状があれば、早めに医療機関を受診されることをおすすめします。

鼠径ヘルニア(脱腸)の治療方法は手術のみ

鼠径ヘルニアは、足の付け根にある筋肉のすき間から、腸や内臓脂肪が飛び出す病気です。昔は「脱腸」と呼ばれていました。

お腹の中では筋肉でできた壁(筋膜)が内蔵を守るように覆っていますが、足の付け根には筋肉がなく、筋膜のみで覆われている部分があります。加齢とともに筋膜の結合組織が薄くなると、内部の腸管などが飛び出しやすくなります

皮膚の下に腸管や脂肪組織が飛び出し、風船がふくらんだような状態になると、手術でしか治療することはできません。内部に穴が開いた状態なので、手で押し込むなど一時的にふくらみは消えても、穴がふさがるわけではないためです。

薬で痛みを抑えたり、ヘルニアバンドなどで外からおさえつけたりしても、治療にはなりません。

放置されがちな鼠径ヘルニアは早期治療が重要

鼠径ヘルニアを発症しても、初期には痛みや違和感をおぼえることはほぼありません。また一時的とはいえ、手で押し込むとふくらみが消えたように見えることから「すぐに医療機関を受診しよう」とは思わない方が多いようです。デリケートな部位だから「恥ずかしい」とお考えになるのも、やむを得ない部分ではあります。

しかし、鼠径ヘルニアが自然治癒することはなく、内部の穴は少しずつ大きくなります。その結果、ふくらみも大きくなり、痛みや違和感をともなうことが多いのです。やがて飛び出した腸の一部や脂肪組織が穴にはまり込み、嵌頓(かんとん)と呼ばれる状態になると、緊急手術が必要になる可能性もあります。

処置が遅れると最悪の場合、生命にかかわることを知っておいてください。どの程度になったら危険なのか、どのくらいの速度で進行するかは個人差が大きくはっきりといえません。だからこそ症状があれば、早めに受診していただきたいと思います。

鼠径ヘルニアの治療は日帰り手術が便利

早期治療に取り組めば、鼠径ヘルニアはそれほど治療の難しい病気ではありません。全国では年間で何十万人が発症しており、治療の実績も豊富です。

最近は日帰り手術を受ける人が増えています。病院に入院すると、2泊3日程度は必要になるため、その期間は仕事を休まなければなりません。家庭への影響もあるでしょう。

しかし日帰り手術なら、前日まで普段どおり生活でき、傷口が小さいため、術後の痛みも少なくてすみます。最短で翌日の仕事への復帰も可能で、生活への影響が少ないのが利点です。ただし治療が遅れて嵌頓(かんとん)すると、腸管を切除してつなぎ直す手術が必要となることも多く、日帰り手術ができないどころか、命に関わる場合があるので、やはり早期治療が重要となります。

Q鼠径ヘルニアは手術をせずに治せますか?

残念ながら手術以外では治せません。鼠径ヘルニアは、お腹の内部に穴が開いている状態です。ふくらみを手で押し込んでも、穴が塞がるわけではありません。手術によって、完治できます。

Q鼠径ヘルニアは引っ込むのですか?

手で押し込んだり、体を横にしたりすると、ふくらみが引っ込み消えたように見えるかもしれません。しかし、内部にできた穴が塞がったわけではなく、腸などの内容物が一時的に腹腔内へ戻っただけのことです。やがて再びふくらみが出現します。

Q鼠径ヘルニアの治療が手遅れになってしまうことは?

突然起こる嵌頓に注意しなくてはなりません。飛び出した内容物が腹腔内に戻らなくなり、血流障害を起こすと激しい痛みのほか吐き気や嘔吐を生じる可能性もあります。緊急手術が必要となり、最悪の場合は命に関わる恐れもあります。

繰り返しになりますが、鼠径ヘルニアは早期発見・早期治療が何より大切です。足の付け根にできた不自然なふくらみを見つけたら、恥ずかしがらずに早めの診察を受けましょう。当院では、LINEによる無料相談を承っています。

プライバシーも守られますので、お悩みの方はご相談ください。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

ブログトップ