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そけいヘルニア知恵袋

白衣からスクラブへ:医療現場での衛生管理の変化

2024.10.03

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間です。今日は医療における清潔とか不潔の概念と医療者の服装の変化について語ろうと思います。鼠経ヘルニアと直接関係ないかもしれませんが、ぜひ気軽に読んでみてください。

医療の世界に置いて、「清潔」「不潔」という概念は感染症を防ぐ意味でとても重要なものです。ここで言う感染症とは、風邪などのウイルスや傷に感染する細菌など、幅広いものを指します。しかしその概念は時代とともに、ものすごく変わりました。

一昔前の医療ドラマ、例えば「白い巨塔(フジテレビ系列)」などを見ると、医師は白衣にネクタイ、ナースはナース帽を被って回診しているシーンなどがよくあります。しかし今日の医療現場では医師もナースも技師さんも白衣ではなく、皆スクラブを着ている病院やクリニックが主流です。最近、私も観ていた「ブラック・ペアン シーズン2(TBSテレビ系列)」や、少し前のドラマですが「コードブルー(フジテレビ系列)」みたいなイメージですね。これらの医療従事者の服装の変化は、清潔・不潔の概念が変わったことのあらわれといえます。

私が医学生だった20年くらい前、ナース帽はまだギリギリ残っていたような記憶があります。しかし急速に消えていったような記憶があります。その理由は看護師が採血など、清潔な操作を行うときにナース帽が落ちると不潔だという理由でした。

同じような感じで医師のネクタイも、どんどん減っていったように思います。特に外科系の医師でネクタイをしている先生は今やかなり珍しいです。これは全世界的な変化で、医師会が医師のネクタイ着用を禁止している国もあります。帽子やネクタイのような、毎日洗わないものは細菌の温床になりやすいんですね。

白衣もだいぶ減ったように思います。座ったりしゃがんだりした時に裾が床に触れたり、手を洗う時に袖が濡れたりして不潔になりやすいのが理由です。その点、いま多くの医療機関で使われているスクラブはかなり清潔です。毎日新しいものを着ますし、汚れたらすぐに着替えられます。

今回は医療の変化を、服装という点から見た記事を書いてみましたが、いかがでしたか? 医療の世界において、「10年前の常識が今では非常識」といったことはよくあります。10年前を振り返れば、当院が行っている腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術はほとんど存在しませんでした。

今後も知識をアップデートしながらクリニックを運営していきたいと思います。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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