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そけいヘルニア知恵袋

麻酔科医の私が日帰り手術クリニックを設立した想い

2023.07.26

こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。今日は麻酔科医である私がなぜこのクリニックを設立したかについて説明していきたいと思います。

まずこちらのブログ記事をたまたま読んでいただいている皆様は、手術において麻酔科医が何の仕事をしているかご存知でしょうか? たぶんほとんどの方が人を寝かしたり、起こしたりする人だという認識だと思います。それは間違いではありませんが、仕事のうちのほんの一部です。

まず手術の前の評価からです。さまざまな検査を行いますが、それらの結果を見て評価し、手術の可否や麻酔法を決定してプランを立てます

そして手術の際は麻酔薬を用いて担当の患者さんを寝かせますが、それは普段の皆様が想像する眠りではなく、人工的に作り出した昏睡状態です。痛みなどの刺激に無反応になる代わりに呼吸や血圧の維持ができなくなるので、それらをコントロールします。具体的には気道確保をして人工呼吸器につないだり、昇圧剤や降圧剤を用いたりします。

また手術が終わる際には痛み止めや吐き気止めの薬を入れたり、手術中に投与した薬の効果を打ち消す薬(リバース)を投与したりして覚醒した後に備えます。覚醒後はバイタルサインが保たれているか、確実に覚醒しているか、痛みや嘔気がないかを評価し、必要なら薬剤を投与して対応します。

以上が一般的な麻酔科医の仕事ですが、このスキルは日帰り手術を安全に行うために生かせるのではないかと私は考えました。画像診断クリニックでCTを撮って放射線科医に読影してもらう事で確実に診断し、経験豊富な外科の専門医と組んで治療を行うことで鼠経ヘルニアという病気を気軽に安全に治療できるクリニックを作れば、多くのニーズに応えつつ社会貢献にもなるのではと考え、このクリニックを立ち上げました。

クリニックで日帰り手術を受けるという事がもっと身近な事になってほしい、病院まで行かなくてもクリニックで気軽に最新の手術治療が受けられるという事を皆様に知っていただければ幸いです。そのためにも今後も様々な情報発信をしていければと考えています。

この記事の著者

菅間 剛(かんま たけし)

2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。

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