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鼠径ヘルニアと仕事:デスクワークと肉体労働 それぞれの注意点
2024.12.03
こんにちは。調布駅前そけいヘルニアクリニックの菅間(かんま)です。
40代以降の人で下腹部に違和感があるなど、鼠径ヘルニアのような症状が現れている人もいるでしょう。
そしてこのような場合、日頃の仕事でどのようなことに注意したらいいのか、手術後にはどれくらいで仕事に復帰できるのかなど、さまざまな疑問を感じますよね。
そこで今回は鼠径ヘルニアのような症状が現れている人に向けて、仕事での注意点などを解説します。
鼠径ヘルニアらしき症状が現れたら!仕事での注意点
鼠径ヘルニアらしき症状が現れたとしても、仕事を休むことなく取り組んでいる人もいるでしょう。この場合、仕事内容に応じて無理のない範囲で仕事に取り組むことが大切です。
なぜなら、鼠径ヘルニアの症状が悪化すると、膨らみが大きくなったり痛みが伴ったりする可能性があるからです。治療までに鼠径ヘルニアの症状を悪化させないためにも、仕事での注意点を確認しておきましょう。
デスクワークの場合
デスクワークの場合、手術当日までは普段どおりに仕事を進めても問題はありません。ただし、プライベートで筋トレやゴルフといった腹圧がかかるようなことは、極力避けるようにしましょう。
肉体労働の場合
重たい荷物を持ち上げるような肉体労働の場合は、短期間で下腹部の膨らみが大きくなる可能性があります。そのため、肉体労働をしていて鼠径ヘルニアの症状が現れた場合は、早期治療が大切です。
鼠径ヘルニアを放置した状態で肉体労働を続けていると、筋膜から飛び出た腸が戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」を引き起こす可能性があります。
嵌頓は緊急手術が必要になるケースもある危険な状態です。
あわせて「鼠径ヘルニアの嵌頓とは?かかる確率や痛み・リスクを専門医が解説」の記事もお読みください。
鼠径ヘルニア手術後の仕事について
鼠径ヘルニアの手術を後回しにしている人の中には、手術後の社会復帰に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
しかし、鼠径ヘルニアは日帰り手術できる病気であり、仕事内容によっては最短翌日で社会復帰できるため、深く悩む心配はありません。
デスクワークなら翌日から復帰可能
デスクワークは体に負担が少ない仕事であるため、手術した翌日から社会復帰できる可能性が高いです。ただし、立ち仕事や外出が伴う仕事の場合は、数日から1週間ほどを目途に普段どおりの仕事ができるようになります。
重労働の場合は三週間から1カ月で復帰可能
重労働の場合は、手術後三週間から1カ月で社会復帰できます。しかし、術後の回復には個人差があるため、最初は軽い荷物から持ち始めるなど様子をみながら仕事を進めることが大切です。
あわせて「最短翌日!鼠径ヘルニアにおける手術後の社会復帰について」の記事もお読みください。
鼠径ヘルニアと仕事に関するQ&A
患者さんからよく聞かれる質問に対して回答します。
Q:鼠径ヘルニアは運転の仕事に影響しますか?
鼠径ヘルニアを発症しても、自動車などを運転をする仕事に支障はありません。また、治療後も問題なく仕事に取り組めるため安心してください。
Q:鼠径ヘルニアの手術後に痛みがある場合は仕事をしないほうがいいですか?
鼠径ヘルニアの手術後に痛みがある場合は、無理をせず仕事を休みましょう。また、痛みに関しては数日から1週間ほどで治まる場合がほとんどです。
この記事の著者
菅間 剛(かんま たけし)
2007年、慶応義塾大学医学部卒業。横浜市立市民病院、練馬総合病院、千葉西総合病院、東京医科歯科大学医学部医歯学総合研究科、世田谷北部病院などの麻酔科に勤務し、5000件を超える手術麻酔を担当。2023年、調布駅前そけいヘルニアクリニック開院。
東京都調布市出身で、父も調布市内で「菅間医院」の院長をつとめる。